ミニアルバム「いざよい」セルフコメンタリー

りさボルト

−いざよいリリースにあたって
おかげ様で今年も新しいCDのリリースができることになりました。「かがりび」「あたらよ」に続き、「いざよい」と名付けたりさボルト&Hysとしては3枚目となるミニアルバム。再録含めて8曲収録。「あたらよ」リリースツアー時に育ててきた「十六夜」と、そのツアー中に生まれた曲を中心に。
タイトルを「いざよい」と決めたのは「あたらよ」リリース前。「新曲」として歌っていた楽曲に「十六夜(じゅうろくや)」というタイトルをつけた時。
満たされるからこそ生まれる野心や、わき目も振らずに進んできたからこそ気づけた導かれて在る今。何事も、一つの方向から、一つの感情だけじゃ成り立たなかった。360度を何度も繰り返してきた全肯定と葛藤。人と人の間でしか音を鳴らせないけど、人と人の間で音を鳴らすことができる、今作もまた、りさボルト&Hysとして、渾身の、現時点での最高傑作です。うす。
そして今作もまた「野暮だなぁ」と思いながら綴ります。セルフコメンタリー。

−M1【泥沼の日々】
昨年の10月7日に熊谷で行われた「WAKE UP FES」の日の出来事がきっかけで書けた楽曲。あのイベントが開催されるまでの周りの大人たちの必死さや、当日を迎えて、ミカシュン(三上隼)、topaz、熊谷の仲間と過ごした時間。特にミカシュンと、「引き返せないとこまで、これてないから」って話になったのが衝撃だった。そんなこと、考えてもみなかったけど、考えてみたらそうだった、ということに気づいて衝撃だった。負けたくない、も、諦めたくない、も、劣等感も、ずっと心にある。他人だったり、自分だったり、環境だったり、敵だと思えるものばかり見つけてしまうのは、きっと、進む為なんだと思う。
「向かうところ敵なし つまり向かうところなし 戦うことでしか進めない者たち」
自分も含めたこのフレーズは、この日に書き起こした。悔しさや、リベンジ、だけがガソリンじゃないからこそ、「劣ってたっていいさ ただ怠ってんじゃねぇぞ」と、自戒も含め。

サウンドや、言葉遣いに至っては、自分がずっと避けていたものに、やっと素直になれたかな。
「唯一無二」や、「自分にしかできないことを」って感覚が著しく低い。そもそも、憧れを追って音楽を始めたからかもしれない。何事においても、「自分にだけできないってことはないだろ!」って感覚が大半を占めている。そのくせ、最近はいっちょまえに、「真似事はしたくない」という気持ちが大きく、自分が育ってきた、音楽に、寄らないように、って、そもそも、自分が惚れた、カッコイイと思っていた音楽は、そんな真似事で真似できるもんじゃなかったはずだ、と、そんなことばかりを考えていたのです。まぁ、分かる人には、分かるくらいには、滲み出てたとは思うけど。(笑)

この楽曲に関しては、書きながら、マスミサイルのしーらさんの鍵盤が執拗に鳴っていました。(笑) 今までだったら、「またマスミサイルの真似事だ!」ってボツにしていたところ、この楽曲に関しては、しっかり、自分で自分の歌として書けている感覚があり、そのまま完成させました。
音源化するにあたり、どうしても、しーらさんに鍵盤を弾いてほしい、というか、そこでやっと完成する、という気持ちを抑えきれず、新宿マーブルで共演の時に、お願いしたのでした。(めちゃくちゃ緊張した。話しかけるタイミングを伺いすぎて、変なやつだったと思う)
快く、一つ返事で了承してくれて、心が爆発しそうだったの、今でも思い出す。そのあと、マスミサイルの「マスト」という、自分が一番辛かった時期に寄り添ってくれていたアルバムを聴いて号泣したのだ。私はそういう奴だ。

初めてスタジオで合わせた時の感動も忘れられない。楽曲が色づき、頭で鳴っていた音を軽く越えていく感覚。自分を生かしてくれた音楽に最大限の愛とリスペクトを込めて。

気を抜くことって、そりゃ滅多にないんだけど、気を抜くと、歌っていてはやしに負けそうになる曲でもあります。オフマイクで歌うはやしの声に負けそうになるの。特に「足並み揃えてでは〜」のくだりの2B頭。「うるせーよ!こっちのターンだ!」みたいな(笑)でも、そういう奴だからこそ、こういう音を鳴らせて、こういう歌詞を歌えている。悔しいけど、サビ裏で、サックスが鳴っていないと出ない音がある。悔しいけど。
自分のことばかりを歌っている曲ですが、どうか、自由に自分の歌にしてもらえたら。そのために、自分に必死になって歌っていると言えます。自分自身の中にいる、あなたを抱きしめながら、歌っています。

 


−M2【行こう、とうふ!】
タイトルだけだと、なんのこっちゃ!な、楽曲ですが、とうふ、と名付けた我々の機材車に向けて書いた楽曲です。パーカッションの森盛滋さん(湯野川広美先輩のサポートとして出会った)に参加してもらいたい旨を、筋を通すためにまず湯野川広美先輩に電話で相談し(笑)、「真面目か!!!笑」と笑われたりしつつ、盛滋さんにも改めてお願いして、快く、了承してもらってから書いた楽曲です。
というか、本当は、全く別の曲で、盛滋さんに叩いてもらいたい曲が書けていたのを、ボツにして、こいつを書き上げました。いつかちゃんと機材車の歌を書きたいと思っていたところ、やっぱりこのアルバムに入れたいな、と、急ピッチで書き上げました。このアルバムに収録した曲の中では一番完成が遅かったんじゃないかな。確か。
歌詞の世界観で言えば、個人的に一番なんの捻りも加えなかったのが「行こう、とうふ!」です。書き上げた時には、ツアータイトルを「行こう、とうふ!ツアー」にしようと決めました。(笑)

この楽曲が生まれる前に、感情が消化しきれず、一度ブログに思いの丈を綴ったのですが、これ、本当にダサい話だなって、今でも思っていて。情けないな!って。それを、壮大なバラードのようなものにしても、さらに滑稽に思えたし、POPにしすぎてもなぁ、と、サウンドよりも楽曲の方向性に一番迷った曲でもあります。コミカルでもなく、シリアスでもなく、かといって、シニカルでもなく、と、バランスをとりつつ書き進めていたようで、言葉遊びも含めて、自分の美学のようなものをふんだんに詰め込んで完成しました!サウンド的には、パーカッションがいるからこその楽曲にしたくて、ギターを弾くターンを極力減らしています。盛滋さんが初めて、我々の楽曲で叩きたいと言ってくれたのが「BRIDGE OF SKY」だったこともあり、そんなことも意識しつつ、おかげでりさボルト&Hysとして、2人で演奏するのは難しい曲になりました。ツアータイトルなのに!(笑)

リスペクトを込めて、大きく参考にしている楽曲が、大好きなRHYMESTERのグレートアマチュアリズムなのですが、そのイメージを伝えた上で、ってのはあるものの、盛滋さんがアレンジしてきてくれたものが、イメージとバッチリで、パーカッションを入れたいから盛滋さん、ではなく、盛滋さんと1曲作り上げたいから、という旨でのオファー、さすが、良く自分達のことをわかってくれている!ということがよりいっそ嬉しかったです。サンバホイッスルは事前の打ち合わせの時は吹いてなくて、本番、突然、これ良いと思うんだよね!と言ってくれて、最高かよ!と沸いたのでした!(笑)

「かがりび」の時から一貫して、1曲はシンガロングできる曲を入れたい!との気持ちがあり、サビはシンガロング!と作っていて、この楽曲では、「とうふ」に乗ったことのある、仲間のミュージシャンに歌いに来てもらいました!
あおしぐれ(あおしぐれは3作皆勤です!)、優理さん、topaz、菅野翔太、みんなでワイワイ楽しかったなぁ。たくさん笑ったレコーディングでした!

はやしのアレンジも、はやしの得意なターンで、美学も詰め込まれてる。イントロで歌メロ負かせにくるの本当にやめてほしいし、アウトロで全部回収しようとするの本当にやめてほしい!(笑)
お互いに、遊び心が溢れまくってる楽曲です。ちなみにこんな歌を書いたことはばーちゃんには内緒です。

−M3【キャリーオーバー】
街中で「キャリーオーバー」という言葉を見かけた時に、歌にしたいと思って書き始め、なんの捻りもなく、「キャリーオーバー」というタイトルをつけました。歌の中で、表現できていたら、と、歌うたびに思うのだけど、「かける」という言葉の意味合いがとても好きで、何年も歌にできてなかったところを、この楽曲に馳せました。「翔けてこうか」「懸けてこうか」「賭けてみせような」「描きだせ」。発信する側のエゴですが、この4つの意味合いの絡み合いが美しい。

どうしても「なぁ兄弟 調子はどうだい?」という歌い出しにしたかったのは、心踊らせてくれるラップやヒップホップにリスペクトを込めて。「安タバコの砂時計は〜」という節、今までずっとイラストを描いてくれていた(同じ職場だった)non.ちゃんとの景色。自分が弱っていて、それでも強がっていると、いつも仕事終わりの深夜のファミレスに連れ出してくれて(奢ってくれて。笑)、2人で泣いて朝を迎える、ということが多々あって。灰皿に、どんどんシケモクが溜まるんだよね。もちろん、安タバコの箱からタバコは減って。挙句の果てに、モーニングメニューに差し替えられて、そこで朝を知る。2人で話してる内容に、辛さから抜け出す光が刺さないこと、もう、2人でわかっていたけど、それをやめられなかった、あの頃は。でも、あの時間があったから、今があると言える。無駄じゃなかったよな、あの時間。かけてきた分、お互い、爆発させような、なんて、気持ちも込めつつ。
遊び心もふんだんに、今は、ライブを楽しみに、越えてきた日々の分まで、一緒に楽しもうね、って、そんな想いを乗せながら歌えている楽曲です。

盛滋さんにオファーをした際、「え!1曲なの?1曲でいいの??もっと叩いて欲しいってなったら言ってね!!!」と言ってもらえて、甘えてこの楽曲もお願いしました。ライブで歌い出しはルバートして歌っているので(私が自由気ままに歌ってる!)、インテンポにした時の違和感が最初は拭えなく、パーカッションを入れてみたらどうだろう?と、入れてみたらしっくりきて、これまた盛滋さんが支えてくれている楽曲になりました!

Cメロからサビへのつなぎのアレンジははやし仕様なのですが、そこが掴めなくてめちゃくちゃ練習したなぁ。どの楽曲もめちゃくちゃ練習するんだけど、特に!サウンド的にもシンプルな楽曲を目指していたので、サビ以外は2コードで潔く、歌詞には遊び心も存分に効かせてます。サビは井上ヤスオバーガー先輩に教えてもらったコード感を使用!笑
裕福な暮らしとは程遠いけど、こんな人生なら黒字と言える。全てにリスペクトを込めて!な楽曲です。

ーM4【十六夜】
書けたのは昨年夏。花男さんと、よっくん(マスミサイル)とのスリーマンが決まった直後でした。初披露したのもこの日。自分にとってはとんでもない日で。共演させてもらえる機会は少しづつ増えていたとはいえ、やはり、この2人、自分にとっては人生のA旧戦犯。この人たちの歌う音楽に10代の頃に出会わなければ、今の人生はないのです。そりゃ人並みに辛いこともあったし、思い描く通りの活動はできていないけど、音楽を始めた時の一番最初の夢「ライブをする、太陽族、マスミサイルと対バンする!」ってのは叶えた。もうそれだけが歌う理由ではないけれど、振り返っては、よく頑張ったな、とか、思ってしまいそうな自分がいるんです。というか、それぞれ初めて共演できた時はその感情しかなかったな。ダサいけど。何回共演を重ねても、自分に生まれるその感覚が拭えなくて、「いや、そうじゃないだろ、追いかけてきた自分を褒めるより、今の自分で、勝負しろよ」って、そんなメンタルコントロールをしないと、共演といえども、同じステージには立てなかった。でも、このスリーマンが決まった時は、そんなコントロールが一切必要なかったんですね。ああ、やっと越えたか。と思えた瞬間。曲にするぞ、と書き上げました。

振り返ることができる今までがあることは人生の財産だし、あの日の点が、この日の点につながって、線になったな!って思える出来事は大切にしたい。だからこそ、そればかりフォーカスしようとしていることへのアンチテーゼでもあります。そのアンチテーゼに対しての、アンチテーゼとして、この楽曲の「思い出せ」と、「野望で未来に点を打つ、野心で今と繋いでく」という節があります。裏表、なんて、どちらから見るか、の話でしかないよ。

「お前はどうだ」という節は、自分達のライブを見てくれたお客さんが、「お前はどうだと問われている気がする」と言ってくれたことがあり、そう受け取ってもらえたことが嬉しくて、いつか曲にしたいと書き溜めていた節。十六夜(じゅうろくや)というタイトルにしたのも、「十五夜みたいに、みんなが見上げる月じゃなくても、その翌日に出ていても、見てくれている人がいるってこと、忘れずにいたい」と、そんな想いから。「ここを空として」を書いた時と変わったのは、自分でやってやる!って気持ちだけじゃなく、輝かせてもらっている、そう思える。たくさんの人にもらってきた温かさ故。だからこそ思える、自分でやってやる!が、ある、と言える。

 

サウンド的に、参考にしていた楽曲は、The CranberriesのDreams。最初はもっとテンポも遅かった。はやしにイメージを伝えてから、アレンジが完成するまで難航したような記憶。今作でライブと同じ編成で録ったのはこの曲だけ。コーラスワークだけライブと違うアレンジですが、大枠はライブ通り。

「あたらよ」リリースツアーの中でも大切に歌ってきた、「いざよい」の火種です。

ーM5【エール】
これはまさに「遊び心」です。今年の年明け、収録する楽曲をあれこれ制作したり、ふるいにかけたりしている時に書き上げました。収録曲8曲の中で、自分の思う自分らしさ、を一番
出せてる曲だと思っています!ネタバレすると、曲中に何回も「エール」を歌っていて、これ、何回言ってるかわかった人いたら教えて欲しい!歌詞カードは、ぜひ、見ないで、数えてみてください。笑

「生憎の晴れ模様」というフレーズは、実は、何年も昔に歌っているのです。当時、他人からの評価に、自分の感情の置きどころがわからなくて、自分ではとても好きな曲だったのに、愛しきれない曲になってしまっていて。あれから何年も経った今、やっぱり、愛せるなぁと、アンサーソングとして。昔から見てくれていて、あの曲か!ってわかってくれる人がいたら、それは幸せなことだなぁ。「誰か」を「自分」と思える日が来たら良いな、を、馳せて。

サウンド的に、最初はギターもサックスも使わないアレンジを目指したのですが、結局一番
気持ちよかったのはこの組み合わせで、はやしがフルートと鉄琴を演奏してます。鉄琴は良い音すぎては困る、と、程よい値段の鉄琴を買ったのですが、めちゃくちゃにピッチが悪い。それがまた可愛くて。(笑) でも、付属のマレットだとあまりにもチープすぎたので、マレットだけ別で買ったのですが、それもやっぱりイメージに合わず、結局、チープ!!!と笑い飛ばしたセッティングで録りました。チープ!なりに、オッケーな音とNGな音があって、はやしはこの音出すのに相当苦労してました。(笑)このたどたどしさが、可愛くて良いんだよなぁ。

 

前向きな気持ちだけが、前向きな気持ちじゃないよな。

 


ーM6【ひきだし】
あたらよリリースツアーファイナルスペシャルエディションと題した、昨年末、12/29の、モルタルレコードで開催したイベントの後に書き上げた楽曲です。いろんなこと、するっと気づけたのは、あおしぐれの見谷のツイートのおかげでした。あの日、ほんと、カオスだったよな。みんな泣いてて。(笑)2019年1月1日に新年の挨拶代わりにこの楽曲の歌詞を載せました。

「ずっと味方でいるから大丈夫」なんて漫画みたいなセリフを本当にするっと言った。それはもう、自分自身で引くくらい迷いなく。ぱんぷきんず。の2人に。なんであんなカッコつけたんだろ!と、ずっと引きずっていたのですが、あのイベントを通して「味方でいる」と思わせてくれていたことに気づけたのです、仲間たちが。そうやって自分のひきだしにくれた感情を、みんなが引き出してくれただけ。思えば、自分の歌っている歌は、全部そうやって完成してきたんだよね。

ライブの後、「ありがとう」と言ってくれる人の、「ありがとう」の方程式を、頭でっかちな自分は解釈しきれず、心で咀嚼する器用さもなく、見せてくれる涙も、感情も、向き合い方をずっと探していた気がしてる。人と向き合うのが苦手なくせに、人と人の間の歌しか歌えず、それでいて、怖くてわからないことばかりで、こんなにも弱い自分を、想ってくれたことで、想うことを知って、やっと人を愛せるようになったんだと思う。「頭で理解する方程式じゃねーよな」って気持ちと、「これが何事にも揺るがない方程式だ」って気持ちと、どちらも抱きしめていられる楽曲になりました。

サウンド的には、しーらさんが、「え!1曲でいいの?もっと鍵盤が必要な曲があったら弾きますよ!」と言ってくれた後だったので、こちらもしーらさんの鍵盤を頭で鳴らしながらの曲作りでした。改めてアレンジしてもらって、最高にグッときた。やっぱりしーらさんの鍵盤が好きだと心から思えました。あとは自分で言ったら世話ねぇけど、しーらさんの鍵盤のファンすぎて、良さを引き出せる曲を書いた!とも思えた!(笑)
「ボーカルソロになるところは絶対作らなきゃと思うんですよね、イズム的に」と言ってくれて、よし、やりましょう!と。(笑)オチサビ、鍵盤を抜く場所、お任せしたのですが、ここか!みたいな、秀逸ですね。(笑)レコーディングスタジオで、歌入れをする前にこの鍵盤のデータが届き、一緒に確認で聞いていた横尾さん(エンジニアさん)が、「え?これ大丈夫?鍵盤に引っ張られない???」と言ってきたくらいには存在感のあるアレンジになってます!

アウトロ、最初にはやしに投げたときも、「???」だったし、しーらさんも、「???」だったのですが、一貫してここは譲らず。2人のアレンジがめちゃくちゃカッコよくて最高。

褒められた話ではないんだけど、この曲をライブで初披露したのはモルタル。どうしてもモルタルからやりたかったのはあったんだけど、まだ、ライブでやる予定ではなくて、楽曲としてのアレンジは完成していたけど、2人で合わせたことがなく。(我々は基本パソコンで曲作りをしています)それでも、サウンドチェックが終わり、ライブのイメージをしながら、はやしと「今日じゃね、、、?」の空気感が生まれ、「今日だな」と、ぶっつけ本番で披露したのです。それでもバチっとやれるくらいには、自然と身体から生まれた楽曲、と言えるし、我々2人の中では決して「ぶっつけ」と思うほどやっつけでなく、「練習してないものを人前でやるのはどうか?」の倫理の問題だったような気もしています。まぁ、うまくやれたから言えること、としてしまえば、世話ねぇですが!(笑)

ーM7【103】
こちら「かがりび」に収録していた楽曲の再録です。CAPRICEのあっちゃんにバイオリンを弾いてもらったアレンジが自他共に好評だったことと、103を歌うときのマインドが、随分と「かがりび」の頃と違うものになったので、再録したいね、なんて話をして、今作に入ることになりました。

CAPRICEが大好きなのはもちろんなんだけど、あっちゃんとコラボしたいね!なんて話になった時に、はやしが103が良いんじゃないか、と提案して、お、そこ、103なんだ!任せるわ!と、2人に託したところ、上がってきたアレンジが最高で、あっちゃん天才!となりました。
ピアノを弾いても、バイオリンを弾いてもめちゃくちゃカッコいいのに、缶チューハイ片手に会場入りして、ステージドリンクもビールだったりする、やさぐれカッコいいのが本当に憧れ。(笑)

歌詞を書いた時の気持ち、今でも変わらず持ってるんだけど、年々、この楽曲を歌うたびに優しい気持ちで歌えている。歌い始めた頃は、攻撃的な気持ちしかなかったのですが、今は、「自分で自分の大切なもの、大切にするために、歌うから、自分のこと、大切にしてな」って、そんな気持ちを馳せて歌えてます。だから、ニコニコしながら、歌える日もある。今は、だけど。(笑)
カメラマンのユキちゃんとのエピソードは対談の方でしたので、そちらもぜひ。

この楽曲も、「行こう、とうふ!」と同じメンバーにコーラスをしてもらっています。バイオリンのレコーディングは京都十八番にて、犬人間ニョンズのタクロウにお願いしていて、大好きな仲間たちと、改めて完成した1曲です。

ーM8【素晴らしい人生だ】
ごく稀に、「歌いたい歌がない」ときがある。というのは、「歌いたくない」わけではなく、「こんなにも歌いたい気持ちがあるのにそれを表せる曲がない」状態。語弊のないように言えば、昨年のGO AROUND JAPANや、WAKE UP FESのときがそれだった。どちらのステージも、思いっきり、思い残すことなく歌ったけど、「今日歌いたかった曲を書こう」と書き始めたのがこの楽曲です。

歌う情景は見えて、その後に掲げたテーマとして「音楽」に対して書き進めた楽曲でした。自分のこと、として思えば恥ずかしいし、全く別の人間、と思えば愛おしいのですが、10代の頃のブログを読み返したら、(2007年から1日も欠かさずに書いてます)「音楽に恩返しがしたい」と書いていて。それはもう真面目に。それがわかるからこそ恥ずかしいんだけど。(笑)
それならば、と、とことん音楽への愛情を綴りました。音楽しか愛せなかった心と、音楽にしか愛されなかった心。綴っているうちに、大切だと思える人の顔や、街も浮かんできて、音楽を通して人を愛せるようになったことに気づけたのでした。

イントッシュをやっていた頃に、「本当に大切なものだったら、手を離したって残るよ。本当に大切だったら、そんな必死にしがみつかなくて大丈夫」と言われたことがあり、どうしてもそれが腑に落ちなかったのです、当時。大切だからこそ、必死に失くさないように大切にするんだろ!今まで失くして散々傷ついてきただろ!と。でも、「あなたに導かれ 愛に身を委ねて」というフレーズを書けたとき、「両手を広げても この手に残るもの」があった、と思えたのです。あなたを抱きしめることで、自分のことも抱きしめられるようになりました。

 

「夜の闇を切り裂いて舞う 煌々と滲んだ光よ」というフレーズは、山梨のライブの帰り道の景色。悔しくて、悔しくて、泣いた。でも、そんな悔しさすらも、歌になればこんなに愛せる。忘れたくなくて、この楽曲の一節に。

花男さん(太陽族)が、この楽曲を始めてライブで聞いてくれた後、この曲が好きだと言ってくれて。「俺の勘違いだったら恥ずかしいんだけど、やっぱり、太陽族の、素晴らしい人生じゃないか、への、アンサー的な感じだったりとか、、?」と聞いてくれたので、そうです、と答えたのでした。「素晴らしい人生だ」というフレーズにしたのは、この楽曲が完成する上で一番最後でした。と、いうのも、「素晴らしい人生」というフレーズは、どうしたって太陽族の「素晴らしい人生じゃないか」が浮かぶし、そのフレーズ史上最高の楽曲はやっぱりそれだったから。

だからこそ、「素晴らしい人生じゃないか!」とずっと教えてくれていた音楽に対しての、「素晴らしい人生だ!」というアンサーソングとしよう、と、完成したのがこの楽曲です。
ずっと、アルバムの1曲目にする方向で話あいも進んでいたのに、最後の最後でひっくり返したのは、いきなり「素晴らしい人生だ!」と歌うことに違和感があったことと、そんな人生じゃないだろ、と思えたから。泥沼の日々の繰り返し。その中で、人の温度に触れ、感情の変化を越えて、辿り着いたのが「素晴らしい人生だ」と言える今。

「熱い」と言われることへの違和感をずっと拭えずにいたんですよ。この8曲が生まれて、「いざよい」が完成して、今やっと言えるのは、その「熱さ」って、人肌同士、息上げて、汗ばむほど、愛し合った時の「熱」なんじゃないかってことです。
行きやすい道じゃなくていい。息上がろうとも、生きたい道を行こう。その中でこうして、人肌同士で抱き合えたら。そこから生まれる熱がきっと、生きやすい道に導いてくれる。
今作、過去最高に熱い1枚、優しい1枚になりました。どうか、触れて、更に熱い楽曲にしてやってください。すでに出会ってくれている人とも、この1枚で出会える人とも、そんなツアーにしたいと、これを書いてる今、思っています。

そして、すでにライブで披露している「シリンダーソング」がこれからのりさボルト&Hysを支えていくと思います。次のCDのイメージも浮かんでいます。ひらがな4文字のミニアルバムタイトルも、今作で終わりにしようと思います。先のことより、今のこと、だけど、安心して、好きになってください。好きでいてください。

野暮なこと、たくさん、書いたけど、楽曲が産まれた自分のあれこれのストーリーよりも、聞いてくれたあなたの感情が一番愛おしいです。忘れさせてくれ。何度でも思い出すから!

りさボルト

Hys(はやし)

−M1【泥沼の日々】

りさボルトから送られてきたデモを聴いてボロボロに泣きながらアレンジしたなあ・・・

最初こそ自分を奮い立たせるような気持ちでしたが、みんなが「最高の応援歌だ」と言ってくれたことで楽曲が更に広がっていった気がします。しーらさんの演奏で色鮮やかになって、最高の音源になりました。

ラスサビの一番最後のシロタマになるところは、お願いしてハイノートにいってもらいました。わたしの性癖です。サックスアレンジとしては、一番「ハヤシらしいサックス」なんじゃないかなと思います。

最初ボルトからイントロのアレンジのイメージも細かく言われてたんですが、どうにも納得できず、色々試行錯誤してあの形に落ち着きました。最後のテーテレレテレーってところがお気に入りです。

−M2【行こう、とうふ!】

ラスサビ~アウトロのサックスめちゃ良くないですか???笑 これはもはやふたりの楽曲ではないですね。

せいじさんのパーカッションが最高にグッドプレイで楽曲が輝いてますし、みんなのコーラス無くしてこのエンディングは有り得ないです。わたしとしては、りさボルトの最高のラブソングなんじゃないかなと思ってます。泣けてくる。歌詞も楽曲アレンジも、色んなところに遊び心がありますので是非探検しながら聴いてみてください。

−M3【キャリーオーバー】

ボルトの歌詞に技が光る一曲なので、是非歌詞を見ながら聴いて欲しいです。サックスは大気圏近くをスイーッと飛ぶような気持ちでアレンジしたんですが、パーカッションで更に色付いてキラキラになったのがすんごく嬉しいです。これだよこれ~~!2番Aメロ裏のフレーズがお気に入りです。ソロ終わりのキメをスタジオでふたりでたくさん練習したなあなんて、思い出しました。みんなで踊りたいね。

ーM4【十六夜】

ボレロですね。コーラスワークを考えるのが楽しかったけど、実際録るのは中々に難しかったです。口が回んなくて!最初プリプロした時はなんも言えてなくて、リアルにほにゃほにゃ歌ってました。歌えてるつもりだったんだけど・・・2回目のBメロ後の間奏で空に羽ばたきます。歌詞がすごく好きで、最近はライブでやる度にニコニコしてしまいます。はじめ放題だぜ~~!!

ーM5【エール】

とても好きな曲です。初めましてのフルートと鉄琴の登場!久方ぶりにフルートを出して友達にレッスンしてもらいました。あんまり上質じゃない感じがお気に入りです。この鉄琴もチープで扱いにくくて、何とも愛らしい奴でした。「生憎の晴れ模様」って歌詞がりさボルトらしくてお気に入りです。

ーM7【103】

この曲にヴァイオリン入れようって言ったのりさボルトかと思ってたけどわたしだったみたいです。あれー笑 でも思い返せば、「かがりび」へ収録した時のエフェクティブなミックスに、あっちゃんのヴァイオリンが合いそうだな~と思ったんでした。この曲を初めて一緒にやったのは少し前なんですが、どう?って送られてきたデモ音源がすでに良すぎて、「天才!」って返事した記憶があります。今回友達のミュージシャンにコーラスを入れてもらえたのもすごく嬉しいです。どんどん楽曲が羽ばたいてますね。これでライブはみんなで拳上げられたら最高だなあ、ユートピア!

ーM8【素晴らしい人生だ】

この曲をアレンジしていた頃から更に歌詞を意識するようになりました。サビの歌詞が本当に素晴らしくて、もうサックス吹きたくないもんね。吹くけど。「この部分、今までだったらこう吹いてただろうけど、それだと歌の邪魔だからこうしよう」みたいなのが沢山ある楽曲です。落ちサビとアウトロのサックスがとてもお気に入りです。あとこの曲のソロはハヤシ史上一番お洒落さんだと思ってるんですが、どうですか?

ーM6【ひきだし】

こんなにストレートに愛を歌うことあんまりない気がします。去年のツアーが無かったら生まれなかったですね、きっと。演奏する度に色んな顔を思い出して嬉しくなります。そしてしーらさんのピアノが良すぎじゃないですか?イントロの掛け合いもAメロ裏のベースラインもソロも落ちサビも、挙げたらキリないくらい好きです。あとこのアウトロのアレンジ考えたりさボルトは天才。サックスのフレーズは悩みに悩んだ末にドワーッと書いた気がします、確か・・・アウトロはスタジオで合わせた時に勢いで身の丈に合わないフレーズにしてしまいました。でも格好いいよね。

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